ビビンバ

  ここ数日、すき家に通っている。

  職を変え、仕事先が人気のない海岸線から国道沿いに移ったおかげで、行動の選択肢が増えた。とはいえ、仕事が終わる頃には0時を回っているので、開いている店といえば、すき家かコンビニしかない。

  話は変わるが、ボクはあまり家族と食事をしない。父が亭主関白な人間(こういう人間は滅びろと思う)で、母がこき使われる様を見たくないし、食べ方も汚い、いわゆるクチャラであり、気になってしまって食事に集中できない。そんなわけで、ボクの食事は、主に残飯、コンビニの冷凍食品類、外食になる。

  すき家の話である。つまりは、ねぎ玉豚丼である。牛丼ではなく、豚丼。これがおいしい。牛丼にはない辛みが効いていて、それが卵と混ざると絶妙な味に仕上がる。ちなみに、大盛りだけ、豚丼の方が牛丼よりも10円高く設定されている。なぜなのか。しかし、そんなことはあまり気にならない。空腹なので。そして驚いたことに、注文してから1分も経たないうちに用意される。深夜で客が少ないこともあるが、これには文明を感じざるを得ない。近未来の到達である。

  今日は豚丼ができないと言われたので、そういうケースもあるのかと思いつつ、牛ビビンバ丼を注文した。客がいなかったので、店員が目を離した隙に、具を思い切り混ぜた。こういうことは、人前ではなかなかできない。そういう食べ物かも知れないが、そういう話ではない。ボクに父の食べ方を非難する筋合いなどないのかも知れない。グチャグチャに混ざったビビンバ丼をみながら、そんなことは、微塵も考えなかった。空腹なので。